相続税評価の路線価

従来、彼らの融資における担保評価はこう行われていた。まず調べるのが相続税評価の路線価であり、それに1定の率を掛け融資額をはじく。より丁寧に行う場合でも路線価を調べるのに加えて担保不動産の近隣の地価公示価格、次いで近隣の取引事例をいくつか収集して、それらから類推し、それでこと足らせていた。地価が問違いなく上がるという前提にどっぷりつかり、回収という万1の場合のリスクなどほとんど考慮しない評価だったのである。担保不動産で回収した場合に、それを売却すればよいと単純に決めつけていた行動である。一般の人々や当の融資を受ける側では、まさか銀行がこの程度の担保評価で済ませていたとは知らなかったのではないだろうか。しかしこれは事実である。それで済んだのは、日本の融資が欧米のノンリコースとは違う、ウィズリコース型であるからということも大きい要因だ。つまり、融資の回収が担保物件に及ぶだけでともかく終了するノンリコース型と違い、我が国のウィズリコース型融資では、もし担保分だけで回収しきれない融資は、企業そのものにまで及んでとり立てられるということなのだ。つまり、融資形態がコーポレートファイナンスなのである。また、日本では、不動産に1番2番3番といくつもの抵当権が設定されており、債権分類をややこしくしている。不良債権の処理と同様に、収益還元法による担保評価の適正化、安全化そして融資自体の健全化つまり、ノンリコース型融資の普及、一般化を促すことが望まれる。アメリカでは不動産市場の悪化、担保価値のド落、そして金融機関の相次ぐ破綻という同じような体験を経て、新しい評価方法の適正化のため、考えられるあらゆる手を打った。評価方法の統1基準化や倫理的な工場のためのルール作りなど、矢継ぎ早に新しい担保評価、不動産評価の改稗が起こったのである。日本も従来型の担保評価制度は拾て去るべき。取引事例法だけに偏っている従来型不動産鑑定手法を捨て、新しいアメリカ型のキャッシュフローベースの担保評価理論を習熱した人間に担保評価業務をまかせていくことが求められる。そのためには厳格で高度に制限された専門家の育成が不可欠である。なぜなら、担保評価に際しては、賃貸料、利息、配当などのキャッシュフローの把握やキャッシュフローのスケジュールの杷握、また売却予想価格の推計や投資利回りや還元利回りといった各種利回りデータに関する精通、リスクとしてのテナント情報や支払い状況、また株式・債椛市場といった他の金融・投資環境やその動向の杷握など、それまでの評価での必要事項とは全く異なります。

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